2019年7月11日木曜日

「西日本豪雨の経験から・・・」防災研修会

7月7日(日)15時から西高宮公民館で、自治協議会主催の防災研修会が行われました。
南区鶴田校区から自治協議会会長の會田政義さんと防災委員(兼民生委員児童委員協議会会長)の竹村哲浩さんを迎え、昨年7月の西日本豪雨で災害を受けた鶴田校区の実体験について話を伺いました。

参加者:自治協議会役員、各町内会会長、各種団体会長、民生委員・児童委員協議会委員

来賓者:南区地域支援課係長 今林京子
    南区生涯学習推進課・
人権教育推進員 増本沢美

発表者:鶴田校区自治協議会会長 會田政義
    鶴田校区防災委員、
民生委員・児童委員協議会会長 竹村哲浩

参加者
59人(男36人、女23人)


鶴田校区自治協議会の會田会長

防災委員、民生委員・児童委員協議会の竹村会長


鶴田校区ってどんなところ?
・西に油山、東を那珂川市に位置し、校区の中央に福岡市と那珂川市や春日市を結ぶ幹線道路が通る。

・閑静な住宅地で、一戸建て・持ち家率の割合が7割を超え南区で一番高い。犯罪発生件数は南区では最少。
・校区内に4つのため池があり、中でも鶴田校区と老司校区にまたがる老司大池は南区でも野多目大池に次ぐ大きさで自然環境にも恵まれている。鶴田小学校、老司中学校校区。
・鶴田1区・2区・3区、鶴田団地、老司5丁目2区・柏原東の6町内会で構成されている。

鶴田校区
世帯数  :3.147世帯
総人口  :7.213人
65
歳以上は:2.273人
  (2018年9月末)

西高宮校区は?
世帯数  :8.411世帯
総人口  :17.426人
65歳以上は:3.256

  (2018年9月末)



2018年7月西日本豪雨
7月5日夕刻、福岡市では大雨による土砂災害のおそれが高まっているとして、城南区、西区、早良区など市内一部に避難準備行動(高齢者等避難開始)を発令。
夜には鶴田校区も土砂災害警戒区域に指定され、公民館が避難所として開設される。
7月6日鶴田校区防災本部開設。柏原地区でがけ崩れが発生、緊急避難指示が発令され、公民館に加えて鶴田小学校体育館に避難所開設。以降計7回の防災会議を行いながら校区の情報収集や危険個所の確認。避難者の把握や食料配給などの避難所運営
「チームつるた」を中心に高齢者のケアを行う。
7月9日避難指示解除、校区防災本部解散



その間の様子は
緊急避難指示に従って避難した人は公民館57人、小学校65人。
 高齢避難者(17人)は4か所の高齢者施設で受け入れ。
・福岡市からの支援物資(おにぎり、水、毛布)到着が大幅に遅れ、 炊き出しスタッフで作ったまかない用おにぎりが大活躍。 
・おやま内科より高齢者の健康チェック。
 緊急食として夜、近くのスーパーで200個のパンを購入。
・校区防災会で夜勤(2交代制)、市職員は24時間体制で数名常駐  
・避難所でペット連れの避難者に対しての対応 として、早朝退室してもらう約束で1部屋をペット連れの避難者用に使用。


日ごろからの取り組みは

鶴田校区では、日ごろから包括的なケアを行う体制が整っており、自治協議会・各町内会・各種団体など充実したネットワークで、子どもから高齢者までみんなが安心して暮らせるまちづくりを目指している。

独自の取り組みとしては
チームつるた
高齢者施設、内科クリニック、歯科、いきいきセンターなどの事業所が連携し活動する事業所連絡会
チーム鶴田(地域福祉ネットワーク)
向こう三軒両隣の精神で、地域でお互いに見守り、支え合い、助け合うネットワーク。




西日本豪雨の時、情報の共有や避難所運営の人手不足など課題として挙げられたものはあるが、日ごろからのネットワーク体制がいざという時も充分に機能していた。西高宮校区でもこのような体制の導入が検討されるべきではないだろうか。



【研修会に参加して/アンケートから】

「鶴田校区は、地域全体で防災に取り組み、子どもや高齢者に安全で安心な支援体制がしっかりと整っており驚きました。わたしたち西高宮校区も皆さんの協力で、チーム西高宮ができたらと思いました」

「事務所連絡会:チーム鶴田ーこれは良いアイディア。西高宮校区も寺沢病院などがあるので協力し合えたら良いですね。組織作りがすごくできている。日ごろより連携が取れていたと思います。西高宮はいかがでしょうか。各種団体や町内会長の横のつながりが重要」

「自らの体験談で説得力があり、勉強になりました」

「会長さんの話が分かりやすく聞きやすかった。マンションに住んでいるので、ピンとこない部分はあるが、参考にしたい」

「鶴田校区の防災運営は毎年訓練されていたからスムーズにできたことだと思います。西高宮校区も訓練をするべきだと思います。毎年訓練をしていても、課題はいくつもあったので訓練は無駄にはならない。避難所が立ち上がった時、自治協、防災部会の人たちはすぐに動かないといけないのではないでしょうか。これからもほかの校区、地域の防災の話を聞いて、良い点を取り入れていった方がいいと思います」

「避難場所での役割を決めておく。備品調達係、室内での世話係、食糧配布、医療担当等など避難し共同生活をするときのスタッフの役割を前もって決めておく。そのことが大事であると考えます」

「町内会で組織表を作成しているが、町内会と自治協の連動性が無い状態である。連動つながりを作りたい。一刻も早くプロジェクトチームを作るべきである。またシュミレーションでも良いので訓練を実施すべきである。組織表だけではダメである。備蓄の強化、グッズの再チェック。 隣り近所の大切さを、日ごろより培いたいと思います。牛乳パックで作る非常食品の詰め合わせは参考になりました」

「西高宮自治協においては、災害発生時、役割を事前に二人ペアで決めておく必要があると思う。危険個所の点検、出動できる人や人数の把握、指揮は誰がとるのか、行政を使うのかなど」

「今回の研修会で鶴田校区の連携の良さ、防災対策における基盤の強さを感じました。防災本部での対策の進め方はもちろん『チームつるた』として校区内の事業所とも連携を取っていることに感心しました。西高宮校区においても、このような基盤作りの必要性を感じました」